化物語ファイナルシーズン「終物語(下)」まで読了しました。

8月20日に大阪心斎橋まで足を伸ばして

「西尾維新大辞展」

行ってきました。

西尾維新大辞展

お盆前から心斎橋大丸でやっているのは知っていたのですがなかなか足を向けられず・・・

18日に食事会があって心斎橋大丸に務めている友人に「西尾維新大辞展」が大盛況で21日で終了すると聞いたので駆け込みで見に行くことにしたのです。

西尾維新大辞展

内容はと言うと、
大辞展というだけあって~あいうえお~順に西尾維新作品や登場人物、世界観などが紹介されている西尾維新らしい西尾維新作品を深掘りできる興味深い展覧会でした。ただ、西尾維新を知らない人たちにとっては全く興味を持てない内容ながら行列ができるほどの盛況さは驚きです。アジア系の観光客ぽい人たちも多い感じ。

忍野忍

西尾維新人気ハンパない。

映画版の「傷物語」3部作が公開され、お盆にはアニメ「終物語」が放送されたりとメディアミックスな感じで盛り上がってますですか。

個人的にも昨日、「終物語(下)」まで化物語ファイナルシーズンを18巻までやっと読了しましたのでちょっと感想でも・・・

化物語セカンドシーズンの紹介

『猫物語(白)』

羽川翼にスポットを当てた物語。巨大な虎の怪異と出会う。

『傾物語』

八九寺真宵にスポットを当てたタイムスリップの物語


『花物語』

神原駿河にスポットを当てた物語。ライバルの沼地蠟花と対決する。


『囮物語』

千石撫子にスポットを当てた物語。白蛇の怪異の物語。

『鬼物語』

忍野忍にスポットを当てた物語。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードにまつわる400年前の物語。

『恋物語』

貝木泥舟が語り部となる物語。戦場ヶ原ひたぎと千石撫子の恋の行方の物語。

化物語ファイナルシーズンの紹介

『憑物語』

阿良々木暦の吸血鬼化が進み鏡に映らなくなってしまう。


『暦物語』

12話の短編集。今まで語られなかった物語が綴られる。


『終物語(上)』

忍野扇に導かれ阿良々木暦が老倉育にまつわる物語の真相を明かす。


『終物語(中)』

阿良々木暦が初代眷属の鎧武者と対峙する物語。


『終物語(下)』

終物語のキーパーソン忍野扇の正体が明らかに。

『続・終物語』

続もファイナルシーズンだったのね。(未読)

ここまでがなんと1年間の物語

「傷物語」が高校2年生の春休みで「終物語」の最後が高校3年生の卒業式とちょうど1年。

「化物語」から書き継がれ「終物語」まで10年18巻で紡がれた物語が阿良々木暦高校生活最後の1年限りとは・・・
確かに1話1話の時間的密度はかなり濃いながらも、ムダに長い妄想や絡みが多いのが売りみたいなところがあるのでさらに密度を増している感じ。

『猫物語(白)』『鬼物語』『終物語(中)』はほぼ同時期の物語で、「鬼物語」でくらやみによってリンクを切られた暦と忍がそれぞれに、「猫物語(白)」はで忍がブラック羽川と絡み、「終物語(中)」では暦が初代眷属と絡むという展開になっているんですね。セカンドシーズン始まりの物語がファイナルシーズンの最後の物語の一部と並列した時間軸の物語だったりするわけです。

こんな感じで冊数が進むに連れて掘り下げられ更に時系列が前後しながら物語密度がどんどん増していくわけですね。
これだけ複雑な物語を書き続けられる西尾維新先生の頭の中を覗いてみたいものです。

「終物語」は阿良々木暦の物語の集大成

何と言っても「終物語」は、阿良々木暦の物語の集大成って感じでなかなか予想もつかない展開ながら、やっていることは相変わらずな感じで安定しています。

妖刀心渡で切り刻まれ死んで地獄に落ちながら、八九寺真宵を引き連れて生還する。(「終物語(下)」)なんて展開からして馬鹿げた大風呂敷を広げたものだと思いながらも読み進めていくと、なんかうまく伏線を回収しながら物語が進んでいき、最後にはなるほどそういうことなのねっと納得させられていたりするのです。ほんとに何物かに化かされた気分ですよ。まさに西尾マジック。

「くらやみ」に呑まれること無く成仏しながらも地獄に落ちていた八九寺真宵を再び「くらやみ」の脅威にさらされることになるにも関わらず連れてきてしまう愚か。

敵対する忍野扇が「くらやみ」に呑まれれば終結した物語を「くらやみ」呑まれる寸前に腕を持っていかれながらも扇を助けてしまう愚か。

まっとうな人間に戻れたにも関わらず、再び吸血鬼もどきに戻る愚か。
(正常体のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに戻りながら吸血鬼の成れの果てに戻ることを望んだだ忍も阿良々木暦の愚かさの影響を受けたということか)

常に愚かな選択をしながらも、一貫して自分を犠牲にしても自分に関わりを持った他者を助けたいという思いを持って他者を助け続けてきた阿良々木暦の行動が、廻り廻って阿良々木暦を助ける。最後には、ないがしろにしがちであった自分自身(分身?)も助ける。(自分を助けることができたというエピソードが青春の終わりをおとなになれた阿良々木暦を表現しているということのようです。)

ハッピーエンドとは言えないものの、痛みをみんなで少しづつ分け合ってバッドエンドではない痛み分けで物語を締めくくる。

阿良々木暦は自然体のたらし体質?

結果には満足できず納得もできないながら、だけど純粋に一心に助けたいと思って行動した阿良々木暦の心持ちはストレートに伝わる。一心に助けたいという気持ちだけで助けようとした愚かな行動の結果だからそうなるのは致し方ないと許しはできないが、助けようとしてくれたその気持ちは受け入れないわけにはいけない。

阿良々木暦に助けられたみんなの、当初の気持ちはこんなかんじなんじゃないかなぁと想像したりする。そして、長く関わっているうちに感化され、今度は助けてあげたいという気持ちが芽生え始める・・・

なんか、阿良々木暦は自然体のたらし体質のようですね。
今は敵対している、老倉育も今後の物語では仲良しになていたりするかもですね。