「仁王」「ホライゾン・ゼロ・ドーン」「ダイイングライト」とアクションRPG・オープンワールドRPGとなかなか内容の濃い名作ゲームを立て続けにプレイしてゲームモード真っ只中なのでこの流れで、「ゼルダの伝説」を・・・と思ったのですが、Switchが手に入らない、当分てにはいりそうにない。
ってことで、以前から気になっていたアドベンチャーゲームでつなごうと「うたわれるもの」をプレイすることに。
「うたわれるもの」シリーズは、
「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」
「うたわれるもの 偽りの仮面」
「うたわれるもの 二人の白皇」
と三作品発売されていて、三本で一つの壮大な物語になっています。
アニメで「偽りの仮面」を観ていたので「二人の白皇」だけでもいいかななんてちょっと思ったりもしたのですが、PS3のアーカイブで600円ほどで「散りゆく者への子守唄」が販売されているのを見つけ、お試しにはちょうどいいかと「散りゆく者への子守唄」からプレイすることしたのです。
結果大正解。
間違いなく「散りゆく者への子守唄」から順番にクリアしていくべきですね。
3月31日に「散りゆく者」をダウンロードしてから4月20日に「二人の白皇」を終えるまでまるまる3週間、1週間に1作のペースでプレイを続けるというハマリようでした。トータルで180〜200時間近く遊んだ感じです。これだけ長くのめり込んで遊んだのは、「ひぐらしのなく頃に 粋」以来でしょうか。
私の中では、「ひぐらし」「シュタインズゲート」シリーズに並ぶアドベンチャーゲームの名作になりました。あとグリザイアもね。
正確には、「ひぐらし」「シュタインズゲート」のような純粋なストーリー分岐のあるアドベンチャーではなく、1本道のストーリーの合間にシュミレーションパートがあるゲームなので「戦場のヴァルキュリア」が近い感じでしょうか。ただ、「戦場のヴァルキュリア」ほど骨太なシュミレーションではなく、私としてはストーリーや登場人物に膨らみを持たせる要素と捉えています。
「散りゆく者への子守唄」の舞台は、トゥスクルという国で立地的には日本の一地方のような設定です。
地震の後、大怪我をして記憶喪失の状態でエルルゥという少女の助けられた男(ハクオロと名付けられる)が世話になっている村には、獣耳や尻尾をもつ亜人種たちが暮らしていた。純粋な人間はハクオロ以外には存在していない。何故かハクオロの顔にははずせない仮面がついていて、村人達が知らない豊富な知識を持っていた。
近隣には、様々な部族が統治する小さな国が存在しハクオロと仲間たちによって敵対する近隣諸国を統一していきトゥスクルが安定した国として成り立っていくさまがストーリーの主軸として語られます。ストーリーが進むにつれハクオロは何者なのか、なぜハクオロだけが人間でほかは亜人種なのか、そもそもこの不可解な世界の成り立ちは・・・といったところが明らかになっていきます。
トゥスクルが位置するのは「ウィツァルネミテア」と呼ばれる神を信仰する地域で、「ウィツァルネミテア」がこの世界の成り立ちの根源の一つの重要な要素でありハクオロもそれに関わる一人です。「散りゆく者への子守唄」では、「ハクオロ」のかかわる「ウィツァルネミテア」と「トゥスクル」のお話で、この世界の成り立ちの半分が明らかにされます。
「偽りの仮面」と「二人の白皇」が前後半で一つの作品となっています。
舞台は、帝によって統治されている「ヤマト」と呼ばれる多くの属国を従える国家。島国のトゥスクルと海を挟んだ大陸に位置する大きな国。「ヤマト」は「帝」により創られた国家で数百年に渡り「帝」が支配を続けており、その中心は「帝都」と呼ばれ賢狼な塀に囲まれた大きな都市で、帝に仕える八柱将により政が仕切られ、大いに繁栄しそこでは平和な暮らしが約束されていた。
各地の遺跡を調査しながら旅をするクオンはある場所で記憶を失った青年を保護する。青年はクオンに「ハク」と名付けられ成り行きから一緒に旅をすることになる。ハクは自分以外の者たちが獣耳や尻尾を持つ亜人種であることが自分の常識外であることに気づき、さらに自分の持つ知識がここに暮らす人達より遥かに高いことに、そして自分の体力が遥かに劣ることに疑問を持つも、過去の記憶が全く無いため、そういうものとして受け止める。
クオンとハクが滞在する村で、ウコンという男と出会う。ウコンにギギリと呼ばれる大きな昆虫の駆除の手伝いを頼まれ同行することに。そこで数倍巨大なボロギギリが出現し危機に陥るが、ハクとクオンの活躍により窮地を乗り切る。ウコンに気に入られた二人は、帝都に向かうというウコンに同行することになる。
帝都でハクの自立のためにとクオンが職を探していたところ、ウコンから自分は右近衛大将オシュトルであることを明かされ、隠密の仕事を請け負ってくれるよう頼まれる。白楼閣に本拠地を置きオシュトルからの様々な仕事をこなしていくうちにハクとクオンのまわりには次第に仲間が増えていった。
辺境民族のヤマト侵攻をきっかけにヤマトは戦時下に置かれることになりさらに帝はトゥスクル侵攻を命じる。そのどさくさにまぎれ謀反により帝が暗殺され、皇女が囚われの身となる。オシュトルが謀反の濡れ衣を着せられたため、ハク達はオシュトルと皇女救出のため聖廟に潜入することに。白楼閣の主人の協力によりオシュトルと皇女を救出したハク達は、オシュトルの故郷であるエンナカムイに向い、皇女アンジュを正当な帝とし帝都奪還を目指すことになる。
「偽りの仮面」と「二人の白皇」では、ハクとクオンを通してもう一つの真実を明かすストーリーが語られます。
ヤマトでは主に「オンヴィタイカヤン」と呼ばれる神が信仰されており、「ウィツァルネミテア」を神と信仰するものたちとは対立関係にある。しかし神話ではいずれも「オンヴィタイカヤンが人間を創造し、その人間達をウィツァルネミテアが解放した」と語られている。
「ハク」と「オンヴィタイカヤン」には深いつながりがあり「ヤマト」の内乱を通してこの世界の成り立ちのもう一つの真実が明かされます。また、「クオン」と「トゥスクル」「ウィツァルネミテア」に関する秘密と、神話に語られる「オンヴィタイカヤン」と「ウィツァルネミテア」こそがこの世界の始まりであり人間の果てしない欲望が招いた世界であることが明らかになります。
「散りゆく者への子守唄」の登場人物が、「偽りの仮面」と「二人の白皇」でもたくさん登場し、重要な役割を演じます。成人しているであろうクオンがエルルゥほか同世代のトゥスクルの女性たちをお母様と呼んでいることから「散りゆく者への子守唄」から十数年後のお話であることが想像できます。オボロがトゥスクルの皇となり、アルルゥやカミュが親善大使としてヤマトを訪れクオンと再会、白楼閣の主人がカルラでトウカがそれを手伝っている。「散りゆく者への子守唄」をプレイしているとトゥスクルの人たちの冒険譚のその後にふれられ楽しさ倍増間違いなしです。
おっとりしたお嬢様なルルティエが腐女子であったり、いい女を気取るノスリが純情少女であったり、クールなクオンがやきもち焼きであったり、剣豪のトウカがドジっ子だったりと登場人物の個性がたっていてそれぞれの個性にあったシリアスな場面とお笑いの場面のバランス良く、シリーズを通してメリハリのある飽きないストーリーが展開されます。
終盤になってくるとうるっとさせられる場面が目白押しで、最後はハッピーエンドとはいえないのかもしれませんがなかなか綺麗に収められているように思いました。続編があるのなら、エルルゥとハクオロの様な、クオンとハクの今後の行き着く先が観てみたい気がします。
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