「モンスターハンタ・ワールド」が発売されて10日あまり。世界的には500万本の出荷、国内は130万本と桁外れの大ヒットタイトルになりました。カプコンも初動でこれほどの本数を捌き切るとはハンパない決意と自信を持ってこのタイトルを世に送り出したことが伺えます。
確かに、遊んでみるとその本気度はゲームの仕上がりの良さに裏付けされたものであることがよくわかります。モンスターの重厚感、フィールドの作り込み、デザインの美しさ、全てにおいて今までのモンハンと一線を画す出来上がりで、携帯機でちまちま遊ぶのではなく大画面でその迫力を堪能して楽しむべきタイトルになっています。
発売以来しこしこと狩りのストーリーをこなし、リオレウスとディアボロスの2頭の竜を倒して、古代竜人から新大陸の謎に迫る情報を得るところまで進んできました。今のところ五十数時間でストーリー中盤でしょうか。ここまでプレイを進めてきて、「モンスターハンター・ワールド」というゲームの何に惹きつけられているのかちょっと考えてみました。
新大陸を目指して海を渡る「古龍渡り」と呼ばれる奇妙な現象の謎を解明するというミッションのため「新大陸古龍調査団」5期の推薦組メンバーとして新大陸に赴くところから物語が始まります。今まさに「古龍渡り」の最中である古龍「ゾラ・マグダラオス」を調査することがメインのミッションなのです。
しかし、新大陸はまだまだ調査が進んでいない未開の地であり、「ゾラ・マグダラオス」の調査をすすめるために物資を集めたり、調査の妨げになるモンスターを排除したりと仕事はたくさんあります。
クエストには「任務」と「フリー」があり、「任務」のクエストを進めていくとストーリが進んでいきます。「フリー」のクエストは、任務地で生活をともにする仲間からの頼まれごとをこなすサブクエストで、素材集めの簡単なクエストからモンスター討伐など重いものまでいろいろあります。
これらのクエストを順番にこなして物語を進めていくことによって、自然に新大陸での狩りなどの仕事に馴染んでいくことができます。指定の素材を調達してくる簡単なクエストをこなすだけでも新大陸の様々な環境に触れることができ、複雑な地形に馴染むことでどこにどんな素材や生物がいるのかが自然と身についていきます。
狩りのクエストも初めのうちは優しく、次第に一筋縄では狩れないモンスターにターゲットが移っていきそれをこなしていくことで、武器やアイテムの使い方や立ち回りを自然に覚えていけるのです。
このあたりの進め方が絶妙で、違和感なくストーリを楽しみながらレベルアップできていきます。
森林・荒地・台地・沼地・川・洞窟・谷・草原など、新大陸には様々な環境のフィールドが存在しています。狩場となるフィールドの一つ一つはそれほど広いわけではないのですが、高低差があり洞窟や大木の上を移動することで迷路のような複雑な地形が構成されています。森林や洞窟では同じような景色のため迷うこともしばしばです。
環境に適した生物がそれぞれの地に息づいており、昆虫や小動物はアミで捕獲することができます。時間帯や天候によっても出現する生物が変わり、滅多に出会えないレアな生物もいて昆虫採集や、魚釣りをしているだけでも楽しかったりするのです。
モンスターの足跡や爪痕などの痕跡を導虫(しるべむし)に追わせて、モンスターを見つけると言うのはなかなかおもしろいですね。はじめてのモンスターはどんな姿かたちをしているのかわからないので、痕跡を導虫に追わせてモンスターを特定していくと言うのはよく考えられています。
特に大型モンスターの重量感はハンパないですね。初めて出会うと、こんなのほんとにやっつけられるのか・・・感満載です。ノッシノッシと歩く姿・怒り狂って突進してくる様・縄張り争いを繰り広げる2体の戦いぶり、ほんとにリアルで美しいです。狩りをしているときのモンスターの攻撃には決まったパターンがあるわけですがそれぞれのモンスターの特徴にあった動きがよく考えられています。
更に、戦況が不利になると逃げ出して自分の有利なフィールドに移動します。移動途中にもモンスターがいるので力関係が均衡していると縄張り争いが始まります。この戦いもなかなかの迫力でじっと観察していても飽きません。刻々と変化するフィールドの環境によってモンスターとの戦い方も変化し奥深い戦闘体験をもたらしてくれています。
刻々と変化する環境によって狩りが変化すると述べましたが、環境だけでなく使用する武器によっても狩りのスタイルが大きく変わってきます。同じモンスターに対峙しても使う武器によって苦戦したりあっさり倒せたりと違いがあります。わたしは今のところ太刀を愛用しているのですが、太刀一つをとっても鉄素材、骨素材、竜素材と種類があります。竜素材を使った太刀には竜特性が付いていて対竜戦には適しています。鉄素材の太刀の方が攻撃力は60以上高いのですが、竜属性モンスターに対しては竜素材の太刀の方が有効だったりします。
武器をどんどん変えて狩りを楽しみたい思いもあるのですが、そう簡単には行きません。武器のアップグレードにはモンスターを狩って手に入れる素材が必要で、いくつも簡単に手に入る物ではないのです。なので次第に強くなっていくモンスターに対峙するためには使い慣れた武器を強くしていかないと苦戦すること必至です。
武器による立ち回りもかなり違うのでとりあえずスムーズにストーリーを進めるなら、使い慣れた武器を順当にレベルアップさせながら使い続けるのががいいでしょう。でも、弓やボウガンなどの飛び道具にも魅力を感じるし、変形武器も楽しそうなので、一段落着いたらいろいろ試してみたいですね。
キャラクターデザインは、ワールドワイドな展開を意識したリアルで大人なデザインになっていますね。海外ではアニメチックなキャラクターは好まれないので、細かなキャラクリでかなりリアルな人物造形ができるようになっていたりします。(作ったキャラクターはゲームプレイに反映されるのですが、どこか崩れた若干がっかりな表示になっていたり・・・)
今までのモンハンプレイヤーからするとすこし違和感があったりするのでしょうか?海外タイトルなら普通だし大人な感じでいいんじゃないかと思います。過去のモンハンは、携帯機で遊ぶお子様タイトルなイメージの作品(個人的なイメージですが)でしたが、「モンスターハンター・ワールド」は世界を相手にできる大人のタイトルといえる作品になりました。
カプコン 2018-01-26 |