「ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて」 PS4

国民的ゲームと言われる「ドラゴンクエスト」ですが、
ゲーマーの端くれを自認しながらも実はいちどもプレイしたことがないんですよ。

最近、PS4で発売された「ヒーローズ」や「ビルダーズ」は遊んだので、モンスターなどのキャラクターには馴染んではいますが、ナンバリングタイトルの純粋なRPGは未体験なのです。

でも、鳥山明氏のキャラクターやすぎやまこういち氏のテーマ曲には馴染みがあったり、どんな感じのゲームなんかもなんとなくわかっていたり・・・プレイしなくともなんとなく染み付いていて知っているような気分にさせられている。さすが多分日本人で「ドラゴンクエスト」って聞いて、聞いたことが無いなんて人はいないぐらいのビッグタイトルです。

まー、そんなビッグタイトルがPS4で発売されるのですから遊ばないなんてことはありえませんよね。できれば Nitendo Switch でやってみたかったってのもなきにしもあらずなのですが。

で、率直な感想をいいますと・・・・・

もう一度いいますが、一度もあそんだことないのですよ
一度も遊んだことがないのにかかわらず

これこそが現代版に正統進化した「ドラゴンクエスト」なんだ!

なんてことを思わされてしまっていました。

「ドラゴンクエストⅪ」ってどんなゲームなのか

RPGのビッグタイトルの主流は、オープンワールドでフィールド上でシームレスにバトルするフリーバトルシステムで複雑に入り組くんだサブクエストになっていて、メインストーリーを進めなくてもフィールドやダンジョンを探索したり家を建てたり畑を耕し野菜や家畜を育てたりとそれぞれに楽しめる要素が豊富でどんどん自由なゲーム性に進化しています。

Nintendo Switch で発売された「ゼルダの伝説」は、まさにこの最新のゲーム性を取り入れながら任天堂独自の遊び方を示した傑作と言える作品になっています。

たいして、「ドラゴンクエストⅪ」は、ジャパニーズRPGの原点に立ち返り、30年前に提示した遊びを最新のゲーム機と最新の技術で再現したと言える作品です。

示された課題をこなしていくことで一本道のストーリをすすめる形のゲームで、バトルシステムはモンスターと遭遇するとバトルフィールドに移りターン制のバトルをするエンカウントシステムです。最近のゲームだと「ペルソナ5」や「アトリエシリーズ」でおなじみですね。

ストーリを進める以外では、フィールド上のモンスターと戦ってレベルアップをしていくことと、宝箱を探してアイテムや素材を集めること、そしてお使い的サブクエストをこなしていくことになります。

強く感じる原点回帰へのこだわり

ドラクエの原点にこだわった作品であるなら、一本道のストーリーやエンカウント方式のバトルなどは、いまでもJRPGの主流となるシステムで当然取り入れられるべきでしょうし、シンプルなサブクエストもしかりです。ただ、そこまでやるんだ〜と感心させられるのが、会話はすべてテキストでキャラクターボイスをいれていなこと。

耳に馴染んだ効果音とドラクエらしい楽曲で懐かしい雰囲気を最大限演出するために、キャラクターの声は不必要と判断されてのことなのでしょうね。キャラクターボイスが入っていたらどんな感じになっていたのかは想像もつきませんが、会話のテキスト表現も含めて、初期のドラクエをプレイしていない私でも懐かしい雰囲気をひしひしと感じ取れる仕上がりになっているのは狙い通りと言ったところなのでしょう。

最新システムで表現されたドラクエの美しい世界

3DSの2Dゲームも評判のようですが、PS4で表現された世界は秀逸です。リアル調でありアニメ調でありフィールドは美しく表現されているに越したことはありません。水や風や火などの微妙な揺らぎを感じさせられる雰囲気はちょっとしたことのようではありますが、フィールドを探索する上でワクワクする感じに小さくない影響を与えていて、プレイ感の楽しさにも現れるように感じます。

また、フィールドの遷移やバトルへ移行など度々入るロードについてもほんの数秒でもストレスを感じさせられたりするものですが、そのあたりの調整もうまくほとんどストレスを感じさせられることはありません。

このあたりは、最新のゲーム機の恩恵によるところではあるのでしょうが、シンプルなストーリーやサブクエストによるところもあるのでしょう。

王道のストーリー展開で安心安定の面白さ

(ネタバレがあります)

仲間との絆を深め悪に立ち向かい、苦戦しながらもボスに挑み一度は敗れ去るも再起して世界を守る・・・これしかないと言った王道のストーリー展開です。ただ、少しひねられている点があって、一度エンディングを迎えてから2週目かと思いきや、時間を遡り、1週目の記憶を持って仲間の死を回避するためにある時点からやり直すというストーリ展開に。

道理でラスボスが結構あっさりとやられて歯ごたえのない感じなのはそういうことだったのね。

ラスボスがストーリー後半で落ちてきた勇者の星を破壊してしまう場面が伏線になってたりします。勇者の星には悪が封印されていて時間を遡り強大な力を得る前にラスボスを倒したため、勇者の星が落ち封印が解かれ更に厄介な悪が顕現することに・・・

こちらが真のラスボスで、レベル50ほどで挑んで瞬殺されてしまいました。天空のダンジョンの底にいるワームもかなり強くこちらも勝てません。地下の試練のダンジョンでしっかりレベルを上げてダンジョンをクリアしてからでないと挑むのは難しそうです。

「ドラゴンクエストⅪ」はおもしろいゲームか?

私的には、JRPGとしておすすめできるゲームです。まだ真エンディングまでクリアできていませんがすでに100時間以上のプレイ時間でかなり楽しませてもらっています。ただ、他のRPGゲームと比較すると「ゼルダの伝説」や「ペルソナ5」の方が楽しかったし、洋ゲーだと「HORIZON ZERO DONE」の方が面白かったといえます。

いろんなゲームをプレイしていると、「ドラゴンクエストⅪ」のシンプルさには物足りなさを感じさせれらてしまうところがあります。オープンワールドの自由なフィールド探索やペルソナの様な同じエンカウント方式のバトルながらかなり複雑な要素が織り交ぜられていたりと何かと複雑化している昨今のゲームと比較して、全てにおいて遊びやすい仕上がりになっているからです。

これは、制作側の狙いでありゲームのあり方に対するメッセージでもあるのでしょう。

ドラゴンクエストをこよなく愛する方や低年齢層や初心者ゲーマーにとっては、シンプルでわかりやすく懐かしくもある遊びやすさを追求された楽しいゲームになっています。しかし、その点がいろいろ経験したゲーマーにとっては若干物足りないかもしれない。そのあたりはそれぞれの感じ方であり楽しみ方といえます。

ただし「ドラゴンクエストⅪ」の一つの評価としては
大人から子供まで誰にでも安心しておすすめできるという希少なゲームであることは間違いありません。