「深夜廻」PS4 はおもしろいのか?

前作の「夜廻」は、PSVita での作品でしたが、今作は PS4 でも発売された「深夜廻」。

シリーズ累計10万本とか言われているので、「夜廻」は新規タイトルとしてはそこそこ成功したタイトルといえるのでしょう。だからこそあえてPS4で発売されたのでしょうから、一度体験しておく必要があるかな?とも考えて、年末年始にかけての大作ラッシュまでのつなぎにもちょうどいいかとヨドバシに先週末買いに出かけたのです。

「深夜廻」はどんなゲームか。

日本一ソフトウエアによると「夜道探索アクション」ということです。確かにその通りですね。二人の幼い少女が不気味な夜の街を一人で探索するアクションゲームです。

物語の始まりは

仲良しのユイとハルは、花火を見るためにある夏の夜、街の裏山を訪れる。その帰り不気味な気配を感じたユイはハルを待たせて様子を見に行くのだが・・・結果ハルはユイとはぐれてしまうことになる。

ハルは、行方不明になったユイを毎晩一人探し回ることに。

登場人物と物語の舞台

友達同士の幼い少女「ユイ」と「ハル」そして「ユイ」の飼い犬「チャコ」

頭でっかちの2等身キャラのデザインで「ユイ」と「ハル」の違いは赤と青のリボンの違い。物語の舞台は、「ユイ」と「ハル」の暮らす「わたしのまち」とその周辺。幼い少女が徒歩でウロウロ歩き回れる狭い範囲。裏山や廃屋やお墓などのスポットが点在する。

探し回れるのは、夜の街だけ。二人と一匹以外は、おばけと化物しかいない世界。

町の人や二人の家族はどうなっているのか?昼の時間はないのか?二人は夜のだけの異世界に迷い込んだのか?・・・事前知識が全く無いので、そのあたりがどういう設定になっているのか今のところ全く不明です。

基本的な遊び方

「ハルのうち」を拠点に、街中の道路や山道、廃屋などの建物の中を歩き回る。所々にお化けや化物がうろついていて、それらに捕まるとゲームオーバー。

「ハル」や「ユイ」はお化けを撃退する手段を持っていないので、逃げ回るしかない。逃げ回る手段は「徒歩」と「走る」と「隠れる」。「走る」とはいってもおばけが近づくと心臓の鼓動が高まりそんなに長くは走れない。草むらや看板などに隠れるとその間は襲われることはない。所々にアイテムが落ちていて「10円玉」は、お地蔵さんのお賽銭にしたり公衆電話を使う事でセーブできる。

オバケたちもいろいろな種類がいて、懐中電灯で照らさないと見えないものや、照らすと逃げていくもの、走ると追いかけてくるものなど、性格を見極めて逃げる手段を考える必要がある。

移動速度が極めて遅いので、立ち回りをよく考えてあるき回る必要がある。初見では不意打ちを食らうことが多く何度も死ぬことになる。いわゆる「死にゲー」

「深夜廻」のゲームデザインに思うこと

3DSなどの携帯ゲーム機仕様の2等身キャラが狭いフィールドを歩き回るといういかにもお金がかかっていないゲームデザインです。据置き機なら20年前の仕様じゃないかと・・・などなど若干辛口なコメントになりましたが、今の御時世にこの仕様のゲームを出す勇気は賞賛にあたいするでしょう。(PS4版は、前作のVITA版のヒットが前提にあるからなのでしょうが、私が購入したPS4のディスク版ゲームではっきり言って一番チープな作りですね。)

低コストでも面白いゲームが作れて、面白ければそれなりに需要もある。最新据置き機では、海外の大作RPGが全盛の昨今、体力のない弱小国産ゲームメーカーが生き残る一つの道筋が示された作品のように感じました。

「深夜廻」はおもしろいのか。

定価が7千円超(販売価格は6千円前後)のフルプライスと言うのは、ちょっと高い気がしますが、ひたすら逃げ回る死にゲーと言ういままでになかったジャンルのゲームコンセプトで、チープな仕様ながらも買って損をしたとは思わせない作品です。個人的には楽しませてもらっています。

主人公が幼い少女で、オバケたちとは対峙できないので逃げるしかない。という潔い設定が良かったですね。逃げるしかないながらも石や紙飛行機で注意をそらしたり、草むらに隠れたり走り抜けたりと襲ってくるオバケから逃げ切る工夫を凝らすのがなかなか楽しかったりします。

サブクエストや収集要素もそこそこ充実しているので、クリア後も楽しめます。ただとりあえずクリアしたものの「深夜廻」の世界観がどういうものなのか今ひとつ理解できていません。サブクエストをこなせば少しは分かるのでしょうかね?

ホラー的要素については、ゲームをプレイした後一人では寝れない的な怖さは全くありません。びっくりさせられる演出は所々ありますが、ミニチュアなキャラクターでリアリティーがないので、このゲームに怖さを求めて購入すると肩透かしを食らうことになるでしょう。