「オクトパストラベラー」Switch

「Hollow Knight」を楽しくプレイ中ではありましたがちょっと中断して、待望のSwitch新規タイトル「オクトパストラベラー」を遊んでいます。この作品はSwitchらしいSwitchにピッタリの作品ですね。ドット絵の進化系「HD-2D」の表現力がいい感じなのです。

ドット絵のJRPGはあまり遊ばなかったので、レビューで述べられている懐かしさのようなものは感じないのですが、最近VitaTVでプレイした「空の軌跡」と似ているなとは感じました。初見での印象は(大画面でのプレイなので特に)荒い描画だなですかね。従来どおりのドット絵の2Dキャラクターなので当然大画面で見ると荒くなるのは致し方ありません。でも少し遊んでいると古臭さを感じさせられるようなことはなくフィールドはくっきりと見やすく光の加減や影の表現、遠方のぼかしなどかなり細かな調整がされ2Dキャラクターの細かな表情の変化もうまく表現されていて、ドット絵の粗さは気にならなくなっていました。

プレイ時間は約30時間で、2章の途中です。4章構成のようなのでストーリーの半ばといったところでしょうか。かなりボリュームのある物語のようです。今の所楽しく遊ばせてもらっています。

オクトパストラベラー

8人の旅人が織りなす8つのストーリー。8人の中の一人としてこのゲームの世界の旅に出る。8人なのでオクトパスということなのだろうけど、主人公の頭文字を並べるとOCTOPATHになるらしい。

キャラクター

剣士 オルベリック 試合
踊子 プリムロゼ 誘惑
商人 トレサ 買取る
薬師 アーフェン 聞き出す
狩人 ハンイット けしかける
盗賊 テリオン 盗む
学者 サイラス 探る
神官 オフィーリア 導く

オクトパストラベラー

剣士や踊子など名前の頭についているのが「ジョブ」で試合や誘惑などの「フィールドコマンド」という職業に見合った能力を持っている。「フィールドコマンド」をNPCに対して使うことによって情報を得たりアイテムをゲットしたりしてサブクエストをこなしたり物語を有利に進められるようになる。

プレイヤーはこの中のひとりを選んでこの世界の旅をはじめます。

ストーリー

8人それぞれに今住んでいる街から旅立つ物語があり、まずはプレイヤーが選んたキャラクターの物語を追うストーリーが始まる。例えば盗賊のテリオンは難攻不落の屋敷のお宝を盗みに入るが、これは優秀な盗賊をおびき寄せる罠でありテリオンはその罠にかかってしまい盗賊の腕輪をはめられてしまう。腕輪を取るための取引で4つの龍石のうち残り3つを世界を旅して探し出す(所有者から盗む)ことを強いられ旅に出る。

旅の途中で立ち寄った街々で、8人の主人公たちと出会い窮地に陥っている主人公に力を貸すことに。窮地を脱した主人公もそれぞれに旅立つ理由があり一緒に旅をする仲間となる。

その街で力を貸すことになる主人公と出会うとその人物の物語を体験できる。(しない選択も可能)

私は各主人公の物語を体験しながらストーリーを進めているが、体験しないで進めると最初に選んだキャラクターの物語だけを追うことになり、その物語を終えてから次のキャラクターの物語を進めるという、一人づつの物語を順番に攻略していくという遊び方もできるようである。

どの街を訪れるかは自由なのですが、章が進むに連れ推奨レベルが高くなるので必然的に自分のレベルに合った街を訪れることになる。(レベルが合わないとボス戦で勝てないこともある)また旅の途中にある洞窟などのダンジョンもレベルがありそのレベルに達しないと攻略は難しい。

フィールド

オクトパストラベラー

全体的にはそれほど広い世界ではない。街が点在するヨーロッパの一地方と言った雰囲気。街をつなぐ街道の距離は短いが、曲がりくねって分岐もあり頻繁に敵と遭遇するので移動にはそこそこ時間がかかる。また地図ではどこにいるのかはピンポイントで表示されずこの街道の地域にいるとしか表示されないので分岐点でどちらに行けばどの街に向かえるのか方角などを想像しながら考える必要がある。

道中に宝箱やNPCも配置されていて、洞窟や森林などのダンジョンもあり、移動距離は大したことがないもののバランス的にはちょうどいい感じにデザインされています。

オクトパストラベラー

街も規模によって若干の差はあるもののかなり狭く通り抜けるだけならあっという間です。その狭い空間にNPCがそこそこ配置されていて会話を交わしフィールドスキルで交渉したりサブクエストをこなしたりしているとちょうどいい感じでボス戦を迎えられます。

フィールドのスケール感はなかなか良く練られていて、飽きることなく物足りなくもない、旅している感を充分に感じさせられるちょうどいい感じのフィールドデザインになっています。

オクトパストラベラー

バトル

JRPG定番のターン制バトルシステム。4人でパーティーを組み旅をするのだが街と街の道中で魔獣などの敵と遭遇しバトルとなる。(魔獣の配置は不可視でいきなりのバトル突入となる)ジョブによって扱える武器や魔法が決まっていて、レベルを上げることによって新しい能力が加えられて行く。攻撃力や防御力などの戦闘能力は、良い装備品をつけることでアップできる。装備品は武具屋で購入したりNPCから盗んだり買い取ったりして揃えていかなければならない。

対戦する魔獣は、2〜5個程度のウィークポイントを持っていてウィークポイントをつくことでガードを崩し戦闘を有利に進められるようになる。ウィークポイントに対応する武器や魔法で攻撃することでウィークポイントをつきガード破壊が可能となる。ウィークポイントは対戦するまでは不明でウィークポイントをつく武器や魔法で攻撃を当てることで判明する。

また、学者「サイラス」の「探る」能力でもウィークポイントを明らかにすることができる。

オクトパストラベラー

道中で遭遇する敵はそれほど強くないがレベル上げのためには数をこなす必要がある。ボスはかなり硬いのでしっかりレベル上げをして回復や治療アイテムを十分に準備してかからないと撃破にはかなり苦労することになる。またゴリ押しだけでは攻略は難しく、ガードを崩しウィークポイントを突く攻撃や回復や防御のタイミングなど持てる能力を戦略的に使う必要がある。ボスはひときは大きいキャラクター造形で威圧感がありどれくらいの体力を持っているのかも不明で攻略には長期戦が必至です。

戦闘時のビジュアルや音は、かっこいい見ごたえのある演出で楽しませてくます。

感想

予想以上に楽しくよくできたゲームです。Switchの普及に強力に貢献できるソフトの一つになるでしょう。ただ、進化系「HD-2D」とは言っているもののあくまでも描画的には荒いドット絵です。今回の試みを成功させるためにはいろいろな工夫や苦労があったろうことは理解できます。それにゲームの楽しさはビジュアルの美しさがなくてもそれ以外にも追求できることもわかります。JRPGタイトルとしてオクトパストラベラーのような作品があるのは歓迎すべき事です。

でもフルCGで表現されたオープンワールドゲームと比べると手間も予算も桁違いであることも事実でしょう。なのでやはりフルプライスではなくもう少し安くてもいいのでは・・・なんて考えてしまいます。

JRPGのタイトルだと「ゼノブレイド2」や「イースⅧ」がありますが、(ゲームの楽しさはぬきで)キャラクターデザインやフィールドデザインは雲泥の差です。ゲームの楽しみ方は人それぞれですがどれも十分面白いゲーム性を備えていることは間違いありません。でもパッケージ価格は1000円ほどしか変わらないのです。

あくまでも単純なたとえですが、1000円の価格差で「ゼノブレイド2」と「オクトパストラベラー」を並べられてどちらかを選ぶとすると迷わず私は「ゼノブレイド2」を選ぶでしょう。でも3000円差なら迷うかもです。やっぱり今のゲームはビジュアルも大事な要件です。それをあえてドット絵で作るということは予算か開発期間か技術力かいずれかが足らないということでありそうであるなら価格設定は安くすべきではなどと考えてしまいます。まぁこの価格でヒットしたようなので、半年ほどで価格を抑えて更に本数を稼ぐ販売戦略をとる予定なのかもですが・・・

とはいえ「オクトパストラベラー」については、この新しい試みは評価に値し価格設定にも異議があるわけではありません。十分納得できる内容で楽しくプレイしていることと、おすすめのタイトルであることを付け加えさせていただきます。

追記

「ひぐらしのなく頃に 奉」「482〜封鎖された渋谷で〜」「STEINS;GATE ELITE」とノベルゲームを満喫している間の約2ヶ月間放置状態となっていた「オクトパストラベラー」ですが、なんとか再開して100時間ほどで8人の物語を終えることができました。

中盤までは、それほど戦闘が面白いとは思えなかったのですが、レベルが上って手札が揃いコツがつかめると格段に楽しくなってきます。強敵には攻め手をひとつ間違えるだけで簡単にやられてしまいます。そんな敵をジョブやスキルなどを駆使して鮮やかに撃破できた時、そこで得られる達成感・爽快感にいつの間にかハマっていました。

8人のメインストーリーを終えてもまだ終われません。ジョブ解放や強力なボスのいるダンジョンがたくさん残っています。それにサイドストーリーをこなすことで開放される裏ボスダンジョンがあり、攻略にはそれなりのレベル上げが必要なようです。サブキャラのその後のストーリーを追うのも楽しく「オクトパストラベラー」の奥深く作り込まれた世界観に引き込まれていきます。

そんなことでもうしばらく「オクトパストラベラー」を楽しめそうです。

「ゼルダの伝説B0W」「ゼノブレイド2」とならぶSwitchを代表するRPGタイトルといって過言ではない「オクトパストラベラー」。Switchで遊ぶなら間違いなくプレイすべきおすすめのタイトルです。