TVアニメ「響け!ユーフォニアム」の第一期を映画化した作品ということで、実はちょっと心配だったのです。アニメの総集編的映画化作品は、ダイジェスト版のようなぶつ切れな内容になりがちで、映画だけではストーリーの流れに取り残されるような仕上がりだったりして、「響け!ユーフォニアム」は好きな作品だけに劇場版がそんな仕上がりだったらいやだなーと思ったりしていたのです。
でも、そんな心配は杞憂に終わりました。
「響け!ユーフォニアム」第一期のストーリーを上映時間103分に凝縮しうまくまとめ上げた仕上がりになっているいい作品でした。主人公の久美子と麗奈の関わる物語を芯にすえ(それ以外の話はバッサリ切り捨て)、北宇治高校吹奏楽部が地区予選を突破するまでの重要イベントに絞って描くことで違和感のない物語の流れを作っています。このあたりはかなり上手いなーと感心させられました。
「響け!ユーフォニアム」の一番の特徴は、躍動感あるブラスバンドの楽器演奏シーンなのですが、大画面のスクリーンでの迫力ある映像とその美しさにはTVで観た時以上に感動させれらました。
特に金管楽器に映る光と影の細かな描写、精細に描かれた楽器の造形、ブラスバンドの一体となった演奏風景、ほんとに素晴らしく美しい♪
弱小チームが全国制覇を目指すという、スポ根物では王道の物のストーリーですが、それを吹奏楽部という一般的にはあまり馴染みのない世界で描ききり、スポーツ以上に熱く感動させられる物語になるのだと示した作品と言えるでしょう。
劇場版を観て改めてTVアニメを見直したくなりました。
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