ファイアーエムブレム 風花雪月 Switch 前半士官学校パート

シミュレーションRPGというジャンルでまず思い浮かぶのが「戦場のヴァルキュリア」です。他にはRPGではないですが「うたわれるもの」シリーズや「ナチュラルドクトリン」でしょうか。個人的には好きなジャンルなのですが、あまり人気がないのかSRPGタイトル自体が少ないですね。

最近の作品が3DSやWiiUだったこともあり「ファイアーエンブレム」シリーズにふれる機会がなくSRPGタイトルであることをこの作品で初めて知りました。多分 Switch でははじめてのメジャーSRPGタイトルなので、とりあえず遊んでみることにしました。

ファイアーエムブレム 風花雪月

ファイアーエンブレムシリーズの16作目の作品で、据置機タイトルとしては12年ぶり発売の新作。「ファイアーエムブレム 風花雪月」のストーリーは二部構成となっていて、前半は士官学校編で国ごとに別れた3学級の一クラスの担任教師になり生徒を育て、後半は戦争編となり他2国と戦うストーリーが展開されるという流れのようである。

プレイを初めて30時間ほど、前半の士官学校編を遊んでいる最中で、とりあえず「士官学校編」の概要を紹介します。

世界観

舞台は「フォドラ」と呼ばれる遥か昔より在りし大地。天上より女神が見守ると言われ、多くの人々は女神を信仰する「セイロス教」の教えの下で暮らしている。遥か昔、女神が人々に与えたとされる「紋章」があり、この紋章が富と力の象徴として貴族の家督相続を左右するなど、今なお人々の暮らしに大きく影響している。かつてアドラステア帝国からファーガス神聖王国が独立し、さらにレスター諸侯同盟が分離。覇権を争い、長き戦乱の嵐が吹き荒れるも、現在は三勢力の均衡により平穏が保たれている

アドラステア帝国
大陸の南半分を支配する、三国では最も長い1000年以上の歴史を持つ国家。

ファーガス神聖王国
寒冷な北の大地を、王と騎士たちが治めている国家。

レスター諸侯同盟
大陸の東に位置し、王を戴かない有力貴族による新しい共同体

ガルグ=マク大修道院
三大国の中央に位置するセイロス教の総本山。フォドラの信仰の要であり、三大国から集った未来を担う若者たちを育成する士官学校としての側面を持つ。また、精強な騎士団を擁し、フォドラの秩序を乱すものを排除する役割も担う。士官学校は以下の三つの学級に分かれている。

黒鷲の学級(アドラークラッセ)
アドラステア帝国出身者の学級。出身者は武器よりも魔道を使った戦闘を得意とする者が多い。

青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)
ファーガス神聖王国出身者の学級。騎士の国ゆえか、槍の扱いに長けた生徒が多い。

金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)
レスター諸侯同盟出身者の学級。弓の扱いに優れた者が多く、他の学級よりも平民出身者が多い。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

前半 士官学校編

ガルグ=マク大修道院にある士官学校が舞台。
父ジェラルトと伴に傭兵として生きてきた主人公が盗賊から士官学校の生徒を助けたことで、父のジェラルトがかつてセイロス騎士団の団長を務めていたいた事が発覚する。そんなことで修道院に招かれた主人公親子であったが、ジェラルトが請われ騎士団で働くことになり、主人公は士官学校の教師を務めることになる。

主人公

主人公は、性別・名前・生年月日の選択登録が可能で、ビジュアルは男女2種類で固定されたものとなっている。

男性のビジュアル
女性のビジュアル

生徒たち

黒鷲の学級・青獅子の学級・金鹿の学級の三クラスがあり、主人公はいずれかの一学級の担任として生徒たちを指導することになる。どの学級の担任になるかによって後半の戦争編のストーリーに影響を及ぼすことになるようである。

各学級には8名の生徒が所属し、学級長は各国の後の指導者となる立場の生徒が務めている。

黒鷲の学級(アドラークラッセ)学級長
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ
青獅子の学級(ルーヴェンクラッセ)学級長
ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダッド
金鹿の学級(ヒルシュクラッセ)学級長
クロード=フォン=リーガン

その他の登場人物

大修道院の大司教レアを筆頭とする修道院の幹部・騎士団幹部・士官学校の担任教師・施設の管理者などしっかりとキャラクター設定のされている登場人物が生徒たちを含めて数十名にのぼり、会話などのシーンはフルボイス対応で立ち絵ではない動きのある演出で、かなり丁寧な手の込んだ作り込みがなされています。

ゲーム進行

月の呼称は違うものの西暦通りのカレンダーをなぞって進行します。週初めの月曜日に指導方針を設定し授業を開始。6日間の授業ののち日曜日が自由行動日となります。月末には1ヶ月の成果を試される課題出撃(戦闘シミュレーション)があります。このような感じで士官学校パートでは、主人公を含めて生徒たちを育成するシミュレーションをこなすことになります。

ファイアーエムブレム 風花雪月 公式サイトより

授業で伸ばすのは武器の扱い(剣・斧・槍・弓など)、知識や信仰(理力・信仰・指揮など)、馬術・飛行ほか十数項目をキャラクターの得手不得手を見極めて効率よく指導してEランクからAランクを目指すというもの。教師の指導力もEランクから始まりランクが上がるに連れて行動力ポイントが増えていきます。(生徒指導には行動力ポイントが必要となる。)

ファイアーエムブレム 風花雪月 公式サイトより

伸ばした項目に応じた資格試験に合格すると、はじめは貴族・平民といった状態から剣士・傭兵・盗賊等といった資格にランクアップしていき、上級職になるに連れソードマスター・アサシン・ドラゴンナイトなど専門職が色濃い強力な兵士に成長していくのです。

日曜日は、散策・講習・出撃・休養を選ぶ自由行動日となります。はじめのうちはほぼ散策を選択することになります。散策は、大修道院の中を自由に行き来して、生徒などキャラクターと交流しサブクエスト(ほぼお使い)をこなしたり釣りや料理を楽しむことができます。

散策では、マップ上のすべての場所を訪問して会話可能なキャラクター全てと会話し、選択肢がある場合は好感度が高そうな選択をする。行動力ポイントを消費してほかの教師などから講義を受けて主人公の能力アップをしていく。落とし物の主を探して届けたりプレゼントをしたりとさながら恋愛シミュレーション的作業をこなすパートです。

はっきり言ってこの部分は、単純作業的になりがちで嫌気がさしてくるところもありますが、数の多い登場人物の人となり(キャラ設定)を理解し物語の背景を自然にプレイヤーに読み解かせていくという重要な要因を担っているパートでもあるのです。

会話は動きのあるフルボイスで、自分の出自や悩みなど各キャラクターに奥行きをもたせるような内容で、会話を進めていくうちに好感を持つようになったりあまり好きではなくなったりとたくさんいる登場人物のキャラクターの個性を引き立て、没個性になりがちなゲーム性に個性を感じさせようと努力している丁寧な作り込みが伺えます。

後半になって、散策でサブクエストをこなして生徒たちとの交流を深めていきランクアップが進むと、行動力ポイントに余裕ができ出撃からフリーの戦闘シミュレーションを続けて遊べるようになります。(はじめのうちはレベルが低いこともありほとんど戦闘シミュレーションを遊ぶことができないのです。)

戦闘シミュレーションをこなすことによってさらにレベルアップやスキル取得が進み骨太の戦闘を楽しめる後半戦に入っていくのです。

ここまでの感想

士官学校パートは、「ペルソナ」を思い起こさせるような仕様ではあるけれど「ペルソナ」ほど深みのある作り込みではなく、各キャラクター設定(個性)の深堀(合わせて物語背景の理解)と能力アップに主眼をおいた単純作業の繰り返しとなっています。

作業の繰り返しというのは、6日間の授業と1日の自由行動の決まったパターンの繰り返しなのですが、プレイ時間にして30時間あまり(人によって若干の違いはあるでしょうが)これが不思議とやめ時をなくす感じで楽しめるのです。(最後の方は面倒に感じつつこなす感は無きにしもあらずですが、終盤は戦闘シミュレーションが次第に増え楽しくなっていく)

登場人物が多くはじめは名前すらわからないのですが、丁寧に作り込まれたフルボイスの会話や食事会などのイベントをこなしていくに連れ、各キャラクターに個性を感じられるようになり兵士としてランクアップし戦闘で活躍するようになってくるとかなり愛着が湧くようになっています。

後半の戦闘パートにつなげる兵科育成シミュレーションと教会を楔に三国がなんとか均衡を保っている物語の世界観を登場人物を通してプレイヤーに無理なく理解させることに主眼が置かれていてる士官学校パートですが、丁寧な作り込みによってうまく機能させることに成功していると言えるでしょう。

人によっては、辛気臭いとかめんどくさいとか感じる部分があるかもしれませんが、このゲームに深みを与える効果を担ってる重要な部分で、後半の出来にもよとは思いますが、育成シミュレーションから戦闘シミュレーションと理にかなったゲームの流れで、ここまでは後半に期待をもたせてくれる出来栄えであると評価できる内容となっています。


by カエレバ