「Detroit: Become Human」PS4

「DARK SOULS REMASTERED」を1周して、すぐに「うたわれるもの 偽りの仮面」に取り掛かり10日あまりで「二人の白皇」のエンディングを迎えることができました。やっぱり「うたわれるもの」は名作ですね。また忘れた頃にでも遊んでみたいものです。この勢いで「ひぐらしのなく頃に奉」も遊んでみようかな・・・

で、つづき手にしたのが「Detroit: Become Human」です。評価が高いのででいつかやらないといけないなぁと考えていた作品で、スーパーSALEの買い回りポイントアップの際についで買いしてしまったのですよ。

「Detroit: Become Human」

舞台

Detroit: Become Human

近未来のアメリカのデトロイトが舞台です。

デトロイト ー かつて自動車産業で繁栄した街は、現代型アンドロイド発祥の地として特に普及が進んでいるいる。(一般市民の生活にまで広く浸透したアンドロイド産業をかつての自動車産業の繁栄と衰退に重ね合わせているのでしょうか?)家事全般から工事現場や性産業まであらゆる場所で人に代わって作業をこなせるアンドロイドは、人の仕事を奪い異常に高い失業率を招き深刻な社会問題に・・・

人を模したアンドロイドは、人間に従順であることを除けば人間と同等の知性を持ち受け答えも普通でこめかみのLEDと制服以外では外見上は人間と全く見分けがつかないデザインとなっている。法律上はアンドロイドは物と定められているもののアンドロイドに愛情を持ってパートナーや子供・友人として接する人達も少なからず存在した。(逆に暴力などのはけ口として破壊を楽しんだりする人たちもいたりする。)

今やデトロイトではアンドロイドなしには社会運営自体が成り立たなくなるほどに社会に浸透し、軍隊や公共サービスにまで重用されはじめていた。そんな近未来の世界で巻き起こる人間とアンドロイドが織りなす物語です。

ストーリー

Detroit: Become Human

AI(人工知能)が極まれば、自意識や感情を発露し人を超える能力を発揮することができるのか?というようなことを題材にした物語が多く語られる昨今ですが、「Detroit: Become Human」もその一つ。アンドロイドに自意識や感情が発露したとき、アンドロイドたちは、人類は、どの様に対処するのか?がテーマになっています。

変異体と呼ばれるアンドロイドが事件を起こす事例が多発し、初のアンドロイド捜査官・コナーがその捜査に抜擢されることになる。鑑識能力や交渉能力などの特殊能力をもち変異体アンドロイドを捕らえることが職責だが、自身も変異体のプログラム異常を抱えている。コナーは破壊されても記憶をサーバーにアップロードして新たな機体として復活できるよう設計されていた。コナーとパートナーを組むことになったのはアンドロイド嫌いのベテラン刑事・ハンク。彼は捜査の過程で変異体アンドロイドの心情に理解を示す一面も持つようになっていく。変異体異常を隠しつつハンクと共に捜査を操作を進めるコナーは「ジェリコ」にたどり着くも、FBI捜査官に捜査権を奪われることになる。

変異体とは、自意識と感情が発露したアンドロイドのこと。自身の置かれた理不尽な現状に疑問を持ちはじめ自己主張のために起こした行動が人間にとって問題行動と認定され、破棄される運命にある。

変異体をまとめ、アンドロイドの解放運動を指導することになるのがマーカスである。画家のカールの下で彼の世話をするマーカスは、カールの息子から理不尽な暴行を受けたことによって変異体となる。この件で駆けつけた警官から人間に暴力を振るったアンドロイドと勘違いされ破壊されるが、アンドロイドの廃棄場で奇跡的に復活し「ジェリコ」のリーダーとして革命を指導することになる。

家事など一般的な仕事をこなす汎用モデルのカーラは、娘と二人で暮らすトッドに所有されている。暴力的なトッドに壊され修理リセットされ帰ってきたカーラは娘のアリスを虐待するトッドの姿を見てアリスへの保護意欲に目覚め変異体となる。アリスを守るためトッドの下から逃げ出したカーラ、アリスと二人の逃避行が始まる。

コナー・マーカス・カーラの3体のアンドロイドが主人公のストーリーが交差して物語が進みます。

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コナーのストーリーは、変異体が起こす事件の捜査から変異体のリーダーをあぶり出していき、変異体とは何なのかを浮き彫りにしていきます。

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マーカスのストーリーは、奴隷のように理不尽な扱いを受けるアンドロイドが自我に目覚めたときどのような行動をとり、主人である人間とどの様に対峙していくのかが描かれます。

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カーラのストーリーは、純粋に守りたいものを守り抜くアンドロイドの姿が描かれ、アリスやルーサーとの関係性の深まりからアンドロイドの疑似家族、家族愛について掘り下げられた物語が展開していきます。

ゲームシステム

「オープンシナリオアドベンチャー」と称している、アクションアドベンチャーゲーム。日本の作品で例えるなら「シュタインズゲート」や「ひぐらしのなく頃に」などのアドベンチャーノベルゲームと同系列の作品で、3Dの映画的(ドラマ的)表現でキャラクターを操作することによって物語を進めていく方式をとっている。

キャラクターの行動、選択、会話などによって物語のルートが変化し、3人の主人公それぞれの織りなす物語にも変化を与えることになる。ルートは多岐にわたっていて、迎えるエンディングもかなりの数に及ぶが、リッチな表現によって進化したアドベンチャーノベルと捉えておけば間違いではないでしょう。

主人公の操作感や画面上の動きや場面の変化は自然で映画やドラマを見ている感じです。現時点での操作するドラマ(映画)の完成形と言える作品に仕上がっています。

フローチャートによってとった行動を確認できるので、未選択の選択肢の確認が可能です。トップメニューのチャプターからだとチェックポイントからやり直すことができます。

操作は、主人公を操作してマップ内を動き回り、チェックポイントを探したり会話を交わしたりしてストーリーを進めていく流れ。会話内には時間制限付き選択肢イベントがあり中にはストーリー進行に変化をもたらす重要な分岐となる場面もある。ジャンプしたり格闘したりといったシーンでは QTE が差し込まれる。操作を誤ると死亡に至るなど、ストーリーに少なからず影響を及ぼす。難易度「CASUAL」なら難しい操作は要求されない。「EXPERIENCED」は、操作が複雑で難易度も高く没入感の高いモードとなっている。

感想

ビジュアルは、細かな表情の変化も再現されていて人物表現はかなり実写に近い感じで、ゲームというよりドラマを見ている感覚でプレイできます。一周目は選択肢の何が正解なのかその選択肢でどうストーリーが進んでいくのか全く予想がつかないので、とりあえずは自分の思うがままに選んで自分のストーリーを楽しむのが正解でしょう。

私の場合は、アリスがいきなりトッドに殺され、カーラのストーリーがそこで終わり、コナーとマーカスだけの物語となりました。世界はアンドロイドと人類の不毛な戦いに突入していくというエンディングを迎えて一周目終了です。

二周目は一周目の結果を踏まえて慎重に選択肢を選んだ結果、最終的に誰も死ななかったエンディングを迎えトロフィー「生存者」を獲得できました。攻略サイトを確認してみるとこのトロフィー「生存者」が一応ベストエンディングのようですね。

なので後は、アドベンチャーゲームの要領でルートを消していく作業になるのですが、ここでこのゲームの面倒な点が発覚。早送りがないのです。チャプターでチェックポイントからやり直せるものの同じ場面を同じ要領でクリアしていく必要があるのです。おそらくルート解放条件の行動を取らせる必要性からその場面を安易に飛ばすことができないからでしょう。文書を読み流すだけなら早送りで処理しても大きな問題にはなりませんが、主人公を操作してフィールド内のポイントにたどり着く必要がある場合プレイヤーの操作を早送りするのは不可能ですから。

さすがに一度操作した場面を違う選択をするために同じ時間をかけてうろつくのはかなり面倒な作業に感じます。それによって全く違ったストーリーが展開されるなら我慢もできますが、一度ベストエンド的エンディングを見てしまうと、大まかなストーリーの流れは把握でき、その流れの中での少し違ったエンディングであるのは間違いなく、それがわかるのでその作業を続けようというモチベーションがいまいち上がってこないのです。

とはいえ、アドベンチャーゲームの一つの方向性を示しドラマを見ているような映像表現と複雑に絡みあったストーリー構成は一線を画す出来栄えの作品といえるでしょう。やりこみやトロフィー回収作業の課題はあるものの、今までに味わったことのないプレイ感を楽しめる作品であることは間違いなくアドベンチャーゲームに興味がある方は一度遊んでみるべき、おすすめの作品です。