ゴールデンウィークは、ゼルダとゴルフと読書でほぼ終わりました。あっという間の5連休でした。ゼルダはまだ道半ばなのでもう少し色々楽しんでから記事にしたいと思っています。
4月の終わりに久しぶりにhontoの全商品50%OFFクーポンが配られたので、10冊ほど気になった本を大人買いしました。その中の1冊が「潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官」です。
「法医昆虫学捜査官」シリーズ第五作目。大好きなシリーズなので早く読みたかったのですが、最新刊で電子書籍でも¥1296−するので機会を伺っていたのです。最近あんまり配られなかったのですが半額クーポンってほんとにありがたいです。買い過ぎで未読本がどんどん積み上がってしまうのですが、半額ならどんどん買うのでもっともっと頻繁にお願いします。
伊豆諸島の「神の出島」でミイラ化した女性の遺体が発見され、警視庁から岩楯警部補が派遣された。首吊りの痕跡から、解剖医は自殺と断定。死亡推定月日は3ヵ月以上前とされた。第一発見者によれば、島のハスキー犬がミイラを引きずってきたらしい。遅れて島に入った法医昆虫学者・赤堀涼子が、事前に解析した微物と、現場周辺を調べて出した結論は……。
amazonより
上記の通り今回は、赤堀涼子が伊豆諸島でのミイラ化した遺体の謎に迫るストーリー。発見された遺体は犬が引きずってきたもので、どこから引きずってこられたのかが全くわからず、首吊り痕から自殺と断定されたものの首吊り自殺をした現場が見つからない状況であった。
ミイラ化した遺体について週刊誌が面白おかしく書き立てたことから、ワイドショーなどによる報道合戦が加熱し警視庁も自殺現場の確定など再捜査を迫られることになる。
法医昆虫学者として警視庁に捜査協力をしている赤堀涼子のもとには、解剖された遺体についていた昆虫に関する資料についてはすべて送られることになっていた。ミイラ化した遺体の昆虫があまりにも少ないことに疑問をいだいた赤堀は、遺体発見現場に調査に赴く。赤堀とコンビを組まされている警視庁の岩楯刑事も捜査に加わることになった。
遺体発見現場を調査した赤堀は、昆虫相の異常に目をつけ外来種のアリの存在が原因ではないかと推測する。その痕跡を辿りミイラ化した遺体の謎の解明に迫って行く。
このシリーズのおもしろい点は、赤堀の昆虫パートと岩楯刑事の刑事パートからそれぞれに真相に迫っていくストーリー展開にあります。赤堀は昆虫相を科学的見地から検証し観察し調査することで真相に迫り、岩楯刑事は刑事としての現場の捜査から真相に迫ります。この二方面からのアプローチが絶妙なバランスで描かれ、いつも赤堀が一歩先を走り真相に近づきすぎてピンチに陥ったところを、少し遅れて真相にたどり着いた岩楯刑事に危機一髪で助けられるというお決まりのストーリーなのですが、またこれが癖になる楽しさ・・・
ネコの島として観光客誘致を図る若者や役所とそれをよく思わない閉鎖的なお年寄りの確執や江戸時代の流刑地としての島にまつわるカルト的因習とそのおぞましい伝承など、事件にまつわる背景もミイラ化した遺体とあいまってホラーミステリー的雰囲気も醸し出す作品になっています。
また、赤堀涼子の明るくあけっぴろげなアラサーながら虫取り少年のようなたたずまいのキャラクターがいい味を出していて、シリーズを重ねるごとに深まる岩楯刑事との信頼関係も見どころです。
いつもなら大量のウジとハエのところ、今回は頭蓋骨から溢れ出すアリの大群。おぞましさはちょっとましだったかな?