バイオハザード7 レジデント イービル グロテスクVer.

待ちに待ったPSVRフル対応初の新規大型タイトル「バイオハザード7」が、1月26日に発売になりました。発売日にゲットして、29日まで4日間かけてNomarで1周目をプレイしたところでの感想を語ってみようかと思います。

VR酔対策は万全。没入感と面白さで酔を忘れる?

プレイ時間は、14時間42分。

パーツ探しやパズルの謎解きに結構時間がかかってしまったのもあるのですが、VRの世界の面白さを(恐怖感も含めて)初見でじっくりと味わおうと、ゆっくりと探索していたため、そこそこ長い目のプレイ時間になっているように思います。トロフィーに「4時間以内で1週する」っていうのがあったので、慣れればそれくらいでプレイできるようになるのでしょう。

1日平均で3時間40分プレイしていた計算になります。

初日は、VR酔と目の疲れで2時間あまりで中断したのですが、慣れてくるとほとんど酔も感じなくなり、1時間半から2時間くらいで少し休憩を入れながら4時間以上VRでプレイできていました。VRタイトルでこれほど長時間酔いを感じずプレイできたのは初めてなので、移動速度や戦闘時などのVR酔いに対しての対策を万全に取られているのが感じられました。また、ゲームへの没入感と面白さが酔を紛らわせてくれているようにも思います。

シリーズ6までとは一線を画すストーリー

バイオハザードといえば「アンブレラ社」対「特殊部隊」という一貫したストーリーで構成されていたのですが、「バイオハザード7」ではそういった描写は全くなく、アマゾンのレビューでも〜こんなのはバイオじゃない〜など、バイオのナンバリングタイトルにはふさわしくないと言った声も多数寄せられているようです。

「バイオハザード7」物語の始まりは・・・・・

妻の「ミア」が失踪して3年、主人公のイーサンは、妻からのメッセージなどを手がかりに「ベイカー一家」にたどり着く。そして妻の手がかりを探すため廃墟のような「ベイカー邸」に単身で乗り込んでいくことに。そこで待ち受けていたのは、狂気のベイカー一家とイーサーンに襲いかかる妻の「ミア」であった。

イーサンは、ベイカー邸を探索中に腕を切り落とされ拉致されてしまう。気がつくとそこはグロテスクな料理が並ぶベイカー家の食事の場であった。椅子に拘束され、何故かちぎれたはずの腕は縫合されつながっている。どうやらイーサンを家族の一員にしようとしているようである。ジャック・ベイカーに異様な料理を無理やり食べさせられもどしてしまうイーサン。そこにチャイムの音がして老婆を残して全員立ち去ってしまう。どうやら警官が訪問してきたため隠れたようだ。椅子を倒して拘束を解きイーサンの「ベイカー邸」からの脱出劇が始まる。
ベイカー一家の狂気・異常な回復力・凶暴な力・ミアの失踪と豹変・つながっている腕・車椅子の老婆などなど謎だらけのベイカー邸から脱出するすべを探してベイカー一家から逃げながら恐怖のベイカー邸をさまよい歩く。異常な怪力でシャベルを振り回すジャック。一般人であるイーサンは見つかり攻撃されたら即死確実。対抗できる武器を見つけ、ドアの鍵を探し、脱出とミア救出の手がかりを探す。


バイオハザード7 レジデント イービル グロテスクVer.

まさに恐怖を体現した、現時点では最恐のゲーム

VRモードでのプレイは、廃校や廃病院を一人でうろつかされているような没入感で、その角を曲がると何かいるんでは、後ろから得体の知れない何かがついてくる、ドアの向こうに・・・の様な恐怖の感覚に陥れられます。大げさにいっているわけじゃないのです。本当にそんな感覚になるのですよ。

ホラー系ゲームは結構プレイしているしホラー映画も好きなので、ホラー耐性は強い方でホラーゲームで怖いと感じたことはほとんどありません。多分「バイオハザード7」もディスプレイでプレイすれば他とそれほど変わらない感覚でプレイしていると思うのです。

初見のVRでのプレイでは、敵の出現場所が全くわからないので、あたりを見回しながらこわごわ進む感じです。VRだと本当に見回せるし覗き込むこともできるので、現実にベイカー邸をうろついているような感覚になるのです。どこからかから聞こえるジャックの声や足音に怯え、見つかってしまい逃げる時の恐怖とパニック感はハンパないです。夢の中で怖いものに追いかけられながらも思うように足が動かずもがいている感覚に近い感じ。

微妙に遅い走る速さが、追いつかれるという恐怖を煽るのには絶妙な速度のように思わされます。本当の恐怖を体験したいなら初見プレイは「PSVR」でのプレイをおすすめします。

ただ、「PSVR」は未だ欲しくても買えない状態なので、「PSVR」購入意欲のある方は手に入れるまで「バイオハザード7」の購入を待たれる方がいいでしょう。

バイオハザード7はナンバリングタイトルとしてどうなのか?

ネタバレありです。

ゲームの終盤にようやく「ベイカー一家」の謎が明かされます。

特異菌を埋めこんだ胚を培養し生み出された少女「エヴリン」は、自分の生み出す菌を感染させ肉体と精神を操ることができる「生物兵器」であった。感染者はちぎれた腕がひっついてもとに戻るほどの異常な回復力と脅威の力を備え「エヴリン」の精神支配から逃れることができない。敵の兵士を精神支配して自軍に取り込み戦わせるために開発されたようである。また感染の症状が進むと肉体がカビに支配されモールデッドと呼ばれる怪物に変化する。

イーサンやルーカスが腕を切り落とされながら、再びつながっていたのはこの異常な回復力によるものと考えられる。

その「エヴリン」を敵対組織から守るために移送する任務に付いていたのが、イーサンの妻である「ミア」である。ミアとともに任務についていたアランのミスによって「エヴリン」が移送中の船室から逃げ出し、船内に菌がばらまかれバイオハザードになってしまう。

航行不能となった船が流れ着いた先で「エヴリン」は、ミアとともに近くに住む「ベイカー一家」に助けられる。「エヴリン」には家族に執着する思いがあり、母と慕うミアとベイカー一家を擬似家族として支配し、さらに家族を増やすべく、近隣の人たちを拉致して感染させていった。

最終的には、イーサンは「エヴリン」を抹殺することに成功しミアとともに「エヴリン」の精神的・肉体的支配から逃れ生き延びエンディングをむかえる。「エヴリン」撃破後に助けに現れるのがアンブレラ社のレッドフィールドと名乗る隊員でおそらく「クリス・レッドフィールド」であると思われる。この時点でやっとアンブレラ社が何らかの形で関わっていることを匂わせる描写が出てくるのであるが、「エヴリン」を開発したのが、アンブレラ社なのかアンブレラ社と敵対する組織なのかは不明である。

「バイオハザード7」のゲーム進行は、過去のバイオ作品と全く関わりのない登場人物たちによって進んでいき最後の最後にアンブレラ社とクリスが登場するにとどまっている。しかし、現象そのものはまさにバイオハザードで、明かされていないまでもアンブレラ社が関わる事件であり、この物語の裏では「クリス」が関わる物語が存在することも匂わせている。おそらくバイオ8・9・10と続くであろうシリーズの転換点としてのバイオ7であり、今後のシリーズの試金石となる作品といえるでしょう。

この作品だけで言えば「バイオハザード レジデント イービル」としてナンバリングが付いていなくても違和感なく、もしかしたらそのほうが納得できるという方も多いのかもしれません。しかし制作側としては過去作と今後のシリーズの区切りの作品として「7」を冠する必要があったのではないかと考えるのです。

「バイオハザード7」ゲームとしての評価・・・

個人的な評価としては、10点満点で10点をあげていい作品だと思います。

ただ、10点には前提条件が付きます。

それは
「PSVR」でのプレイを含めたトータルの評価であることです。

初のPSVRフル対応作品であり、作品の出来によっては「PSVR」の今後の展開に大きな影響を与えるかもしれない本作品の評価としては大満足といえるでしょう。VRの没入感・リアル感・長時間プレイの可能性・VR酔い対策などどれをとっても満足の行く仕上がりで、今後のVR作品の一つの方向性を示す作品になっています。

「PSVR」を購入していてよかった!と思わせてくれる1本です。現時点での「PSVR」対応作品としては最高傑作と言って過言ではありません。

VRを抜きにして、1本のゲームとして評価しても評価できる作品であると思います。しかしこの作品以上に面白い作品はたくさんあります。例えば「Skylim」や「Darksouls」シリーズなどなどです。

なので、どこの土俵で評価するかによって評価は別れることでしょう。VRが普及していな現時点において、VRでのプレイを体験できる方のほうが少ないので、「バイオハザード7」の評価はもしかしたらそれほど高くならないのかもしれません。今私が言えることは、もし「PSVR」を手に入れたなら絶対プレイしてほしいということです。

でも、怖がりの人はプレイ自体が無理かもですよ。