ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ 評価と感想 ロイヤルとの違いは?

ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」というゲームが発売されることは知っていたのですが、過去に発売されている音ゲーとか格ゲーの類のファンディスクだと思ってノーチェックだったのでした。

たまたま発売日の2月20日にヨドバシを訪れいつものごとくゲーム売り場をうろつき、新発売の「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」を手に取りながら売り場に流れているプロモーションビデオをなにげに眺めていると「ペルソナ5」の後日談・半年後の夏休みに起こる事件を描いたペルソナタイトル初のアクションRPGであることを知りました。

それで俄然興味が湧き上がり、そのままレジに直行となったのです。

ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ

ペルソナ5」の半年後の後日譚を描いたアクションRPG。「ペルソナ5R」ではないので、芳澤は登場しない(明智も)。新キャラクターとして長谷川善吉AI・ソフィアが参戦。

ストーリー

心の怪盗団が解散して半年、それぞれの道を歩んでいるメンバーが夏休みを利用して、元アジトである喫茶「ルブラン」に集合していた。久しぶりの再会を祝い仲間たちとの夏休みを満喫するためキャンプや旅行の計画を相談し心を踊らせる怪盗団メンバー達。

渋谷に買い出しにでかけた時、タレントの柊アリスのイベントに出くわしたことをきっかけに、消滅したはずのパレスに似た異世界に再び迷い込んでしまう。更にジョーカーは、ベルベットルームに誘われラヴェンツァから新たな驚異が怪盗団に迫っていることを告げられる。

渋谷に出現した異世界は以前のパレスとは違う世界で、ジェイルという名称で王(キング)と呼ばれる支配者がそこに迷い込んだ人達のネガイを抜き取り自分の力にしているという異様な世界であった。ネガイを抜かれた人達は、現実の世界ではの崇拝者となり自分の意志を持たずの言いなりに成り果てていた。

ジェイルにはEMMAというAIアプリが設定しているパスワードを入力して友達になることで誘われる。怪盗団はジェイルの入り口でEMMAにパスワードを入力することでジェイルに潜入できるのである。

時を同じくして、自分の不正を告白し懺悔するという心の怪盗団による改心によく似た事件が各地で起き公安が事件として捜査を始め怪盗団が犯人として目をつけられることになる。ほどなく公安の長谷川善吉という刑事が怪盗団に接触してくるのであった。

長谷川は怪盗団の犯行とは考えていないようで、怪盗団は真犯人を挙げるため協力するよう取引を持ちかけられる。事件の最有力容疑者が札幌にいるとの情報を得た怪盗団は、渋谷ジェイルで知り合った少女の姿をしたソフィアと名乗るAIを従え札幌に向かうのであった。この旅立ちがキャンピングカーで日本各地を巡る長旅の始まりとなるのである。

ペルソナ初のアクションRPG

RPG要素

夏休みを利用して全国各地を旅するというストーリー構成で、ペルソナシリーズ定番のカレンダーによる日々の行動管理や絆を深めていく内容はないもののゲーム感はペルソナシリーズの遊びがってを損なうことのないものになっています。というかペルソナそのものでアクションに重点を置くためにRPG要素を簡略化したペルソナという感じです。

各地のジェイルを順に攻略していき一本道のストーリーを追う構成で、ジェイルというダンジョンに散りばめられた宝箱やアイテムを集めながらゴールへと通じるルートを探します。ダンジョン内には敵がうろつき見つからずに攻撃を仕掛けると有利な戦闘を展開できます。敵との遭遇はエンカウント方式になっています。この辺りはペルソナシリーズとほぼ同じです。

戦闘やストーリーを進めることで各キャラクターがレベルアップしていきます。合わせて「BANDレベル」というキャラクターレベルとは別に設定された経験値がありレベルアップによりBANDポイントが振られそのポイントを使ってBANDで設定されたスキルを取得しスキルアップを図ります。BANDスキルは全キャラクター共通のスキルで絆的要素であるといえます。

不要なアイテムや装備品を売ってお金を調達し、より強力な装備や回復アイテムを購入するのも同じですが、今作の特徴は、各地のグルメメニューのレシピを集めて調理する料理が回復アイテムとなることでしょう。ペルソナ5ではコーヒーとカレーくらいでしたが、今回は種類も豊富ですが・・・調理するためには各地のスーパーなどで販売されている数量限定販売の素材を購入する必要がるのです。

他にもジェイルのパスワードを聞き込みしたり、各地の名所を巡ったりとイベントも盛りだくさんでペルソナテイストを楽しめる内容になっています。

戦闘・アクション要素

戦闘の開始はダンジョンにうろついている敵との接触(エンカウント方式)により始まります。従来のペルソナならここからターン制のバトルが始まるのですが、今作はここの戦闘がアクション方式となっているのです。

敵とのエンカウントでバトルフィールドに移行します。敵の構成は1体から数体のボス(そこそこ強力)と数十体の雑魚敵です。フィールド上は自由に移動可能で、4人のチーム構成で操作キャラクターは自由にチェンジできます。操作キャラクター以外は勝手に行動します。

敵もリアルタイムで攻撃してきて、雑魚敵のわらわらと湧いてくる様は無双ゲームさながらと言えるでしょう。とはいうものの無双ゲーム好きな方が無双ゲーと思ってプレイすると期待を裏切られることになります。確かに雑魚キャラは無双的に湧きはするのですが、プレイ感はあくまでもペルソナの戦闘で無双のような爽快プレイとは一線を画したものとなっています。ペルソナのスキル要素を生かしたアクションゲームにしたらこんな感じになりました!的な操作感のアクションなのです。

武器を振り回して雑魚キャラをバッタバッタと薙ぎ払うアクションは無双的ではあり、初めての戦闘では、これは無双ゲーなのか?と勘違いしてしまいそうになり無双ゲーがあまり好きでない私は選択を誤ったかな?と一瞬思わされたりしたものです。しかしボスキャラを倒すためにはペルソナスキルが必須でウィークポイントを付いてダウンを奪い総攻撃を仕掛けるパターンが必須になります。

スキル選択とアイテム使用時は、選択が終了するまでプレイは止まります。爽快な無双プレイを想像していた方にとってはここでテンポが損なわれる感じになるでしょう。ペルソナチェンジスキル選択があるからこそのペルソナなのであってアクションゲームになったからと言ってこの点をなくしてしまうとペルソナではない別のゲームになってしまいます。言い換えるとこの点があるからこそペルソナ初のアクションRPGと謳えるのです。

感想など

率直な感想は・・・「ペルソナ5」の正当な続編・後日譚としてかなり楽しめています。「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」を遊び終えて間もないこともあり怪盗団のその後(半年後)の物語を楽しむことができて大満足な気分です。

遊びがっては全く違和感なくペルソナです。エンカウント後の戦闘がアクションになり、スキル選択以外はリアルタイムで進むため、敵の攻撃を避ける立ち回りが重要で、直接的な物理攻撃とHPやSPを消費するスキル攻撃のバランス感覚も必要になります。慣れるまではけっこうオロオロさせられますが、慣れてくるとこういうアクションも結構楽しいです。

あと、ジェイルパレスのようにがいなくなっても崩壊しないので、何度も挑むことができます。リクエストと言うサブクエストが設定されていて、随時追加されるリクエストの消化が何度もジェイルに挑む取っ掛かりにもなっていて、レベルアップや立ち回りの練習にちょうどいい感じです。ベルベットルームはかなり簡易化されてはいますが、処刑して好みのペルソナを装備することもできます。

今の所、50時間あまりのプレイ時間で後少しでエンディングといったところです。ペルソナ5Rは140時間あまりかけたので、ボリューム的には1/3程度でといったところでしょう。まだやっつけられない強敵のシャドウもいるのでおそらく2周目に突入すると思うのですが(遊びたい新規タイトルもないので)、周回要素がどれくらいのものなのかちょっと楽しみだったりします。