「NieR:Automata」エンディングを迎えてもわからないことだらけ・・・

9月の3連休。

日本列島を縦断する大型台風18号が17日に京都に最接近するということで、日月は家から一歩も出ずに「NieR:Automata」のクリアに努めていました。

おかげさまでプレイ時間60時間足らずで「E」エンディングをむかえることができました。

「E」エンディングでの最後のシューティング。

あれは、流石に単独での攻略は無理ゲーですね。皆様の協力を仰ぎ無事エンディングを迎えられました。最後の最後に、みんなのために協力するか?と問われるのですが、私はデータを引き継ぎ2周めをプレイしたいので「いいえ」と答えました。「はい」と答えるとセーブデータが全消去されるようです。

とりあえずエンディングを迎えての感想は、

なんとも切なく儚くも温かい物語だなぁ・・・

です。

注意!:以下、ネダバレあります。

9s

「9S」

「NieR:Automata」をダウンロードした時の記事に

(実際にはエイリアンは自身の作った機械生命体によってすでに滅ぼされているらしい。実は人類もアンドロイドに取って代わられていたなんて落ちじゃないよね。)

なんて書いているのですが、それに近い落ちだったんですね。

瀕死の人類を生きながらえさせるための計画「ゲシュタルト計画」遂行のために生み出されたアンドロイド「デボル・ポポル」が暴走し、結果として人類を滅ぼすことになったらしい。「NieR:Automata」はその後数千年が経過した世界での物語となっている。

人類が滅亡した後もその事実は伏せられていたようで、人を模したアンドロイドが人類再生を信じ地球の維持管理を続けていた。そこに機械生命体を要したエイリアンによる地球侵攻が始まる。劣勢を余儀なくされ地球を侵略されつつあるアンドロイドが、機械生命体に対抗するためのモチベーション維持のために「YoRHa計画」が実行される。

数千年前に滅亡した人類のためにアンドロイドが何故戦うのか?

数千年の時を経て、進化した一部のアンドロイドが人類に取って代われるまでに意識が変化したのか?

いずれにしても、一部のアンドロイドによって機械生命体に徹底交戦するために「生き残った人類は月に避難し、そこから地球奪還のための指揮をとっている」という設定の上で、アンドロイドたちの人類のために戦うというモチベーション維持を計ろうとしたのです。

そして、そのための最終決戦部隊として編成されたのが「YoRHa(ヨルハ)部隊」である。

というのが、大まかな「NieR:Automata」のストーリーの舞台設定です。

a2

「A2」

そこで展開される「YoRHa(ヨルハ)部隊」に所属する「2B」と「9S」の物語が「NieR:Automata」メインストーリーになります。「YoRHa計画」が実行されてからの時間軸は全くわからないのですが、もしかしたら数百年とか千年単位での時間経過があるのかもしれませんね。なにせエイリアンが侵攻を始めてから数千年経過していて、エイリアン自体が機械生命体に滅ぼされているのですから。

なのでそのあたりはあまり考えず、とりあえず「YoRHa計画」が最終段階まで来て、機械生命体と何らかの決着がつく段階まで煮詰まってきている最後の最後の場面なのです。

「2B」と「9S」の物語は、その最後の最後が切り取られているだけなのでなんかチグハグで、理解しにくい展開なのですが、物語のパートが進むに連れ次第に情報が明かされその深い部分に及ぶと、「2B」と「9S」の複雑な関係性がなんとなく理解できるようになってきます。

この物語の前に何度も何度も「2B」と「9S」の物語は展開されていて、何度も何度も「2B」が「9S」を処分(殺して)してきているようなのです。最新鋭のヨルハ機体は、機械生命体と同種のコアを使用した感情を持たないアンドロイドとして造られているのです。

が、「2B」は記憶を保持しながら「9S」を何度も処分しており、長い時間「9S」と接するうちに親近感を抱き処分することに抵抗感を持つようになってきています。また、「9S」は「2B」に何度も処分されながらもその記憶はリセットされていて、毎回初対面の状態のはずであるにも関わらず「2B」にたいして愛情に近い感情を持っています。

機械生命体においては、すでに人類に関するデータを取り込んでいて感情に関わる情報も取得済みであり、パスカルのような人間に限りなく近い感情表現ができる個体も出現しています。

アンドロイドは、機械生命体は感情を持たないと信じているようですが、機械生命体のコアには感情に関するデータが既に組み込まれており、経験を積むことによりそれが発露する下地はすでに出来上がっていたということなのでしょう。

そのあたりの設定は、かなり複雑で「NieR:Automata」をプレイするだけでは明かされない部分も多く、前作の『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』から引き継いでいる情報も少なからずあるはずで、このゲームの中には全てに納得の行く答えは用意されていないようです。

エンディングも思わせぶりでその部分だけを切り取るとなんとも儚い終わり方なのですが、「E」エンディングではあるポッドが「2B」「9S」「A2」のデータの完全削除を拒否して残すことに成功することから、「YoRHa計画」から解放された彼らの限りなく人間に近いアンドロイドとしての幸せな営みを暗示させられており、温かい気持ちを持ってゲームを終えることができました。

ただ、細かな点はわからないことだらけ・・・

例えば、「YoRHa計画」の首謀者は誰なのか。ヨルハ機体はなぜ感情を持たないのか。また、なぜ感情が発露したのか。なぜ機械生命体のコアをヨルハ機体に使うのか。なぜ「YoRHa部隊」のバンカーを含めた全処分が必要だったのか。機械生命体とアンドロイドはなぜ戦うのか。機械生命体は主人であるエイリアンを何故滅ぼしたのか。などなど。

2b&9s

親しく接しているふりをしながら監視を続け、真実を知られると処分する。感情を排除され淡々と任務にあたっていたはずが、ある時ふと感情に芽生える・・・それ以降、親しく接し続けるうちにその感情が深くなり親近感を覚えるようになる、そんな相手を処分し続けなければならない「2B」の葛藤。処分される度に記憶をリセットされながらも記憶の残滓のようなものをつのらせているのか、なんとなく処分され続けていることを知りながら「2B」との交流を嬉しく思う「9S」。

そんな背景を知ってから、2周目をプレイすると「2B」に対する感情移入が深くなり、ストーリーの見え方もかなり違ったものになることでしょう。