バイオハザード RE:2 Z Version PS4

「バイオハザード RE:2」なかなかいい感じです。

20年前のバイオハザード2のリメイク作品としてはかなりいい仕上がりになっています。リメイクというより20年前のプレイ感を再現した新作という感じですね。

映像表現、キャラクター造形、など全てにおいて現時点での新規タイトルに見劣りすることはないリアルな造形と映像表現でで暗闇の中にうごめくゾンビやクリーチャーなどの恐怖感を高めてくれています。

バイオといえば微妙に操作しにくいキャラクターと絶妙に見にくいカメラアングルがゾンビにまとわりつかれる恐怖を煽っていたのですが、今作でもその感じを再現できていて最新のゲームにはまずない感じの操作感に仕上げられています。バイオハザード7でも走って逃げられないもどかしさがありましたが、それに近いもったりしたキャラクターの動きでサクッと敵を避けられないもどかしさに恐怖感を抱かされます。バイオ7ほどではないですが最近のバイオハザードになかったゾンビの恐怖を存分に味わえる(バイオ7の流れをくんだ)ゲームに仕上がっていることは確かです。

バイオハザード RE:2 Z Version

少ないバッグ容量

アイテムの所持容量は、スタート時点では8コマしかなく探索を進めてバッグを見つけることで2コマづつ増えていき最終的に倍にはなるのですがそれでも少ない。結果、武器の選択・弾薬と回復薬の選択・ギミック解除アイテムの選択を常に迫られることになります。フィールドにアイテムが結構な数量落ちているのですが、今必要なアイテムかどうかを判断して拾うか拾わないかの選択をする必要があるのです。不必要なものを拾ってしまってバッグを埋めてしまうとその後に必要なアイテムがあった時、保管ボックスのある場所まで移動して所持アイテムをボックスに移すか、その場で捨てるかしてバッグの容量をあける必要に迫られます。捨ててしまうとアイテムは消滅するので後に必要になっても再度拾うことができないのです。

武器と弾薬の選択

武器はピストル・マシンガン・ショットガンなど数種類あり、強力な武器を獲得するには鍵を開けるなどのギミック解除が必要になります。武器ごとに弾薬の種類が異なり一つの武器を所持するためには武器1弾薬1の最低でもバッグ2コマが必要です。強力な武器は所持に2コマ必要なものもあります。弾薬はフィールドに落ちているのですが少量なので弾薬作成パウダーを合成して必要な弾薬を作成することになります。パウダーの組み合わせによって作れる弾薬が変わるので所持しているパウダーでどの武器の弾薬を作るかの判断も重要になります。弾薬は常にギリギリで無駄弾を撃つとゲームが詰んでしまいかねません。

ナイフと手榴弾

ゾンビにまとわりつかれた時、必要になるのがナイフと手榴弾です。ナイフを突きつけるか手榴弾を口に加えさせるかすることで振りほどくことができるのですが、何ももっていなかったときの絶望感は半端ないです。まとわりつかれゾンビのなすがままに噛みつかれライフを削られてしまうのです。手榴弾と閃光弾は大量のゾンビに迫られた時に所持していると一気に形勢を逆転逆転できる頼もしいアイテムです。が拾える数が少ないので使い所が重要です。

回復薬と解毒薬

薬草を組み合わせることで回復薬や解毒薬を作成できます。薬草は結構落ちているので無駄使いをしなければそれほど苦労はしないはずです。ただ、大量のゾンビに囲まれながら弾薬が不足しているような状況になるとあっという間に回復薬がなくなってしまうことになるので、そういった状況にならないような立ち回りを考えながら行動する必要はあります。

しぶといゾンビ達

一度倒れてもしばらくすると復活してきます。足を狙うと立ち上がれずに這い回りまとわりつかれる確率は減りますが、殺しておかないとフィールドにゾンビがあふれることになります。仕留めるまでヘッドショットをしても10発以上の弾を使うゾンビもいて結構しぶといですが、ゾンビは確実に仕留めるほうが安全でしょう。仕留めたかどうかを確認するにはナイフで切りつけるといいです。木の板で窓を塞ぐのも弾薬節約には有効ですよ。

絶妙な難易度のギミック

ストーリーを進めるためには、アイテムを探したり鍵を開けて通路を開放したりする必要があります。そのためにはヒントを探して仕掛けられたギミックの謎を解かなければならないのですが、ちょっとした頭の体操程度でそれほど難易度は高くなく謎解きにストレスを感じずに楽しめる絶妙なバランス設定です。

裏ストーリーは蛇足感が・・・・

ストーリーは「レオン編」と「クレア編」があり、更にクリアするとそれぞれの裏ストーリーが開放されます。レオン編もクレア編もフィールドは同じでギミックもほぼ同じです。武器の種類やストーリー展開が若干違うなどの特徴はあり、表ストーリーをクリアするまでは飽きずに進めることができます。ただ、裏ストーリーは若干のギミックの違いがある程度でほぼ同じ内容を周回しているだけ、わざわざ裏に設定してまで遊ばせる必要があるのかと感じさせられます。単なるボリュームの水増しなのでは?などと思ったり。それなら、表だけでクリアすれば高難易度や強力な武器開放などプレイヤーが自分の好みのスタイルで周回できる要素を増やすだけで良かったのではないかと考えたりします。

The 4th Survivor

裏ストーリーを一つクリアすると開放されるエクストラゲーム。ハンクを操作して脱出する。ゾンビやクリーチャーであふれかえる地下施設から警察署正門までのワンルートを手持ちのアイテムだけを頼りに駆け抜け脱出をするというもの。初見ではルート自体がわからずまずクリアできない。自力でクリアするにはかなり難易度が高いゲームですね。私は3回ほどチャレンジして萎えてしまいました。クリア動画を見てしっかりルートを覚えればクリアできるでしょう。これをクリアすると「The 豆腐 Survivor」が開放されその後もクリアごとに順次新たなサバイバーが開放されていきます。

評価

ワンストーリー10時間前後、表クリア+αで20〜30時間程度は十分楽しめるゲームです。ただ裏については普通に進めていくと同じ景色の繰り返しで飽きを感じてしまいます。裏を遊ぶ際は3周目、4周目の周回を遊ぶ感覚で縛りプレイとかタイムアタックとか自分でお楽しみ設定をして周回を楽しめる方でないとだれてしまうでしょう。裏ストーリーを一つクリアすると開放されるエクストラゲーム「The 4th Survivor」はかなり難易度が高いです。ワタシ的には弾薬無制限でバンバンゾンビを倒しながら脱出するみたいなモードも欲しかったところです。

とはいえ、20年前のTheバイオハザードといえる名作のバイオハザード2を現在の技術で蘇らせた本作は大いに評価できる作品に仕上げられています。バイオハザード7で恐怖に追い詰められる恐ろしさを取り戻し、リメイク作品とはいえその流れを引き継いだ往年のバイオ作品を出してくれたことは、今後のバイオハザード作品に大いに期待を感じさせてくれます。